たゆたえども沈まず

今日からどう生きていこう

セルフリワーク

朝7時半、両隣が慌てて家を出て行く音をベッドの中で聞きながら、私もいつも同じ位の時間に家を出てたよなぁと考えている。今日は両隣とも寝坊したのかな、もしかして今まで私が朝6時から立てていた生活音も役に立っていたのかなとぼんやり考えていた。

それにしても今朝は体が動かない。

とっくに目は覚めていて朝5時からネットショッピングをしていると言うのに、ベッドから起き上がる気力が出ない。

こんな生活では社会復帰が遠のいてしまうという焦りが生じ、8時半やっとベッドから起き出した。

オーバーナイトオートミールの簡単な朝食をとりながら両学長のYouTubeを聴く。

 

「SMARTの原則」と言う目標の立て方を聴きながら、そろそろリワークプログラムに取り組まなければいけないなぁと考えていた。

S →具体的である、M →計測できる、A →同意している、R →現実的である、T →期日が明確である

ということらしい。高い確率で達成出来そうな小さい目標をたくさんたてて、達成感をたくさん積み上げていくこと、確かに今の私には必要なことである気がした。

 

それにしてもリワークプログラムと言うのはどんなことをしているのだろう
私の住む地域にはないのかネットで探し当てることができなかった

それならば自分でセルフリワークに取り組むのもいいかもしれない

しかし、今は蔓延防止等重点措置期間であり出勤を想定した図書館等への外出はできない。

なので在宅ワークをしていると想定した生活をすることにした。

レッスン1

S(具体的な目標) → 生活習慣を整える

 M(計測できる)   → ①朝6時起床、夜9時就寝

②午前中1時間、集中して読書ができるようになる

③1日1回、自分の考えたことを言語化する(ブログにアップする)

A(同意しているか) → ①復職もしくは転職を望んでおりそのための基本的な生活習慣は取り戻すべき必須課題であることを理解している

②現在集中力が欠如しており仕事に支障がある状態である事は実感している。集中できる時間を少しずつ伸ばして行くために読書は有効であると考える

③コミュニケーション能力、特に伝える力の欠如は自分の課題であると以前から感じていた。考えをまとめて言語化する力を養うことが、対人関係における問題を解決するための力になると考える

R(現実的である) → これら3つは、現在、気力が回復傾向にあり、高い確率で達成できそうに思える。毎日ではなく、1週間のうち5日できれば達成とする

T(期日が明確である) → 期間は、1週間とする

1週間後に評価を行い、さらに必要と思われるレッスンズプログラムを作成する

 

休職を決めた日

1月初旬のある日、上司からの理不尽と思える叱責を聴きながら何か張りつめていた糸が切れたような感覚を覚えた

自分が、上司の承認欲求を満たすためのサンドバックになっているような感覚を覚えながら、

ただただ早く時間が過ぎて欲しいと願っていた。

明日は心療内科の予約が入っている、早く先生に会いたい。

先生の顔思い浮かべながらただ時間が過ぎるのを待っていた。


心療内科を最初に受診したのは、それより1ヵ月前。

診断は、中等度から重度の鬱、不安障害、聴覚過敏だった。
その時に休職を決意すればよかったのだろうが、ただでさえ多忙な中、私が休職をしたらどれだけ同僚に迷惑をかけるだろうかという思いが私を踏みとどまらせていた。

 

しかし思い返せばもうとっくに限界を超えていたのだ。

ノイズキャンセリング機能付きイヤホンをつけて聴覚過敏をしのぎながら仕事をするも、ザワザワした環境で集中力が全くない状態であった。

過剰に承認欲求の強い上司が今日も電話で誰かを無能呼ばわりして大きな声を張り上げている。そのたびに、動悸が始まり、手が震え、トイレに逃げていた。

職場では、感染症対策に対する感覚の個人差が目につき、苛立っていた。黙食なんて小学生でも頑張っているのになんでできないの、マスクを付けずに出勤して更衣室に入ってくる無神経さ、朝の検温も適当にまとめて書いている……

口にはしないが苛立ちがピークに達していた。

 

家に帰るとヘトヘトで何もできない状態。
年末の大掃除もできず、おそうじ本舗に頼んだ。
食事はもう2年近く配食サービスを利用している。
コロナ感染に対する過度の不安から、月に1回か2回、必要なものをメモして短時間で買い物に行く、それすら怖かった。

 

そんな日常に精神が蝕まれていっている自覚はあった。

そしてついに、電池が切れた。

1月半ば休職に入った。

 

 

今日からどう生きていこう......

休職生活に入りもうすぐ2週間が経とうとしている

休養が効いたのか、薬が効いたのか、最近は活動が少しずつできるようになってきた
先々の生活の事は心配だが、以前ほどの押しつぶされそうな不安感は無い
この休職中を私はどのように過ごせば良いのか、うつ病を再発せず人生を生き抜くために今私が学ぶべき事は何なのか、そのようなことをずっと考えている

まだ集中して読書をするだけの力がないので、YouTubeなどで耳から情報を取り入れながら自分でリワークプログラムに取り組もうとしている

休職に入ったばかりの数日間は、ほとんど1日中寝て過ごしていた。食事を取るのもめんどくさくほとんど食べず、気がつけば3キロ体重が減少していた

お風呂もシャワー浴が精一杯
シャワー浴もできない日もあり、できても洗身と洗髪を両方することができずどちらか一方しかできない日がほとんどだった

少し気分が良くなり先日、久しぶりに浴槽に湯を入れてみた。サビで茶色く濁った浴槽の湯を眺めながら、こんなになるまでお風呂に入らなかったんだと、改めて今の状況の異常さに気がついた。

さびついた私の心を見るようだった
こんなになるまで私頑張ってたんだ
もっと早く休んでもよかったんだね
これからはもっと自分を大切にしてあげるね

『たゆたえども沈まず』と言う言葉が好きだ

その言葉を思い出しながら茶色く濁った浴槽の中を眺めた

非力ですぐに揺らされて心が折れそうになるメンタルだけど、今はどんなにみっともなくても、私は絶対に沈まない

今は『脳が骨折していて』時間とリハビリが必要だけど、いつかはもっと強くなって、誰かの役に立っていると思える日々が来ることを願っている